腕力を使わず、長打を打つための“足上げ”のススメ

本日は水曜日ですので、

元巨人の篠塚さんに
プロならではの視点から、

バッティングについてのノウハウ、
指導法をお伝えして頂きます。

本日のテーマは、

“ノーステップの問題点と
正しいステップへの修正法”
についてです。

今も少年野球の現場で指導する
篠塚さんならではの鋭い視点から
解説して頂きました。

お子様のためにも、
ぜひ最後までご覧ください。

==以下、篠塚さんの解説=============

おはようございます。
篠塚和典です。

本日は、
“ノーステップの問題点と
正しいステップへの修正法”
について、解説をしましょう。

野球少年を指導していると、
早い球に当てるためなのか、
ほぼステップをしない状態で
打っている子を見かけます。

最初に申し上げておくと、
ノーステップは決して
悪いことではありません。

むしろ、ミートの点で言えば、
ボールに当てやすい、
とも言えるでしょう。

ただし、
『ノーステップは
 体重移動がしにくい』
ことは覚えておいてください。

ノーステップは力が強く、
腕だけでも強く振れる
選手には有効なのですが、

●腕が加速しないため、
 速球に振り遅れる
●ステップしないため、
 勢いが付きづらく、
 球の重みに負けてしまう

という問題があるのです。

とはいえ、お子さんに
「体重移動ができていない」
といっても、
分かりづらいと思います。

だからこそ、説明するときは、
お子さんのスイングを撮影して、
“頭の位置”に
注目するのが良いでしょう。

体重移動が出来ていれば、
バットを構えた後に、
~~~~~~~~~~~~
ステップ足を上げて、
軸足一本で立ったときに
頭が『少し後ろ側に』移動する
     ↓
ステップを踏み込んだときに
頭が構えたところと同じ位置まで
『前側に』移動する
~~~~~~~~~~~~
という形になります。

しかし、足を上げないと、
トップを作ったときに
頭が後ろに下がらない、

つまり、体重が後ろに移動せず、
反動がつかないのです。

きちんと移動しているか、
という基準は、

構えからフィニッシュまで、
『頭が後ろ足から前足まで』
移動できているかどうか。

先ほどのスイングを
より詳細に記載するならば、

~~~~~~~~~~~
1.軸足の上にある腰に
  後ろ足7:前足3くらいに
  なるように体重を乗せる  
     ↓
2.後ろ側に乗せた体重で
  反動をつけながら、
  ピッチャーに向かって
  前側にステップする
     ↓
3.体重を移動させながら
  後ろ足3:前足7くらいに
  なるようにインパクトする
     ↓
4.前腰に体重が乗りながら、
  回転してフィニッシュする
~~~~~~~~~~~

という形になりますね。

上で説明されているような
『前足をあげて軸足を作る』
という工程を抜くと、

軸足に体重を乗せてから、
スイングまでの時間が短く、
重心=頭が移動しません。

もちろん、ノーステップでも、
体重移動ができているならば、
問題はないと思いますが、
中々難しいと思います。

ステップ足を上げなければ、
身体のバランスをとるために、
後ろ側への体重移動が甘くなり、
力が加わらないからです。

後ろ側に体重が乗らないと、
前への勢いもつかないので、
力がつくまではスイングも遅く、
弱々しい形になってしまいます。

だからこそ、私は

『成長過程の野球少年こそ、
 ステップをするべき』

だと考えているのです。

今は非力でも打撃技術で
飛ばす感覚を掴めるので、
身体が大きくなれば強打者として
活躍できるようになるからです。

最初はタイミングが
掴みにくいかもしれませんが、
慣れてくれば、

○ステップの勢いを使うことで
 スイングスピードが上がる
○インパクト時に体重が
 前に乗っていることで、
 ボールに当たり負けなくなる

という効果を感じるでしょう。

また、軟式野球をされていて、
今後、硬式野球に転向したい場合、
ステップで力を強めることは、
更に重要になります。

ピッチャーの球も段々と速く、
重くなってきますし、
よりボールに力を加える
必要がでてきますからね。

苦労したとしても、
スイング改造に取り組むことを
おすすめしたいと思います。

さて、本日の内容をまとめます。

本日は、

“ノーステップの問題点と
正しいステップへの修正法”

についてお話をしました。

お子さんには、体重移動と言っても
難しいかもしれませんので、
頭の動きを映像で見せることで、
分かりやすく理解させてください。

逆に足よりも頭が前に突っ込むと、
フォロースルーで
力が抜けてしまいますし、

頭を動かそうとして、
首を振ってしまうと、
ボールが見えなくなってしまいます。

きちんと出来ているかどうか、
注意してあげながら、
スイングを修正してみてくださいね。

是非やってみてください。