【アーム式vs スクラッチ式】本当に正しいのはどっち?

今回は、『アーム式とスクラッチ式の
デメリットを改善するコツ』をご紹介しましょう。

さて、あなたも野球をしていると、「アーム式だからプロでは通用しない」「アーム式だとケガをしやすい」という話を良く聞くのではないでしょうか。

私も日頃より、アーム式はやめた方が良い、というお話をしていますが、『では、なぜダメなのか?』という観点から、スクラッチ式のデメリットも上げて、解説をしていきます。

ご存知の方も多いでしょうが、まずはそれぞれの投げ方について、
お話をしていきます。

アーム式、スクラッチ式というのはテークバックでの腕の使い方で、
種類が分けられていますね。

アーム式は『腕をほとんど伸ばしたままテークバックしてトップを作る』

スクラッチ式は『肘を曲げたままテークバックして肩甲骨を使ってトップを作る』
という方法のことですね。

アーム式は手と頭の位置がトップで離れがちで肩や肘に負担がかかる反面、
◯腕をトップに持っていきやすい
◯フォームが大きくなりやすい
というメリットもあります。

スクラッチ式のメリットとしては、
◯ボールを持っている手が身体に隠れやすく、球種がバッターにばれにくい
◯コンパクトな動きなのでクイックなどがしやすい
ということがあります。

ただし、スクラッチ式にもデメリットはあり、

アーム式と比べてテークバックが小さくなるのが避けられないため、
フォームが小さくなりがちです。

だからこそ、アーム式からスクラッチ式に修正した結果、球速が大幅に落ちてしまった、ということもあり、指導者によってはアーム式を
すすめる場合もあるようです。

つまり、それぞれの問題点をあげると、

●アーム式はトップの位置で
 手と頭が離れることで
 身体への負担が大きくなる
●スクラッチ式は
 フォームが小さくなりがちで
 球速が上がりにくいことがある
ということです。

だからこそ、どちらが良い!と頭ごなしに修正するのではなく、

それぞれのメリット、デメリットを頭に入れて、投球を修正していくことです。

そこで、どちらの投げ方でも、有効な2つのポイントをお伝えしましょう。

◯肩・肘への負担を避けるため、頭の真上にトップを作る
◯フォームを大きくするために、フォロースルーで大きく踏み出す

これを意識すれば、どちらの投げ方でもより良いピッチングになります。

『トップの位置』については、“腕が耳の横を通るように”投球をするようにしましょう。

アーム式ですと、必ずと言っていいほど、腕が身体から離れてしまいます。

そうすると、負担が大きくなるばかりか、速球も中々走りません。

だからこそ、トップの位置に気を付ければ、デメリットを軽減できます。

また、『フォロースルー』は、“投球側の肘とステップ足の膝が投げ終わった後くっつく”くらいまで前に踏み出すのが重要になってきます。

こうすると前にしっかりと体重が乗りますので、コンパクトなテークバックでも、球威をボールに乗せることができるのですね。

この練習方法としては、

~~~~~~~~~~~
シャドーピッチングで
フォームを確認しながら修正
    ↓
ボールを持ってネットスロー
    ↓
実際にキャッチボールや
ブルペンでの投球練習
~~~~~~~~~~~

という順番で行いましょう。

『シャドーピッチングの時は上手く行っていても、
ボールを持つと、フォームが変わってしまう』
といったお悩みも頂きますが、これはどうしても避けられません。

ボールの重さもありますし、ストレスのかかり方が変わってきてしまいますからね。

ただし、いきなりバッターやキャッチャーに向かって投げてしまうと、
『相手に向かって投げる』という他のストレスもかかって、動きに制限が出ることが多いです。

だからこそ、相手を気にせず、投球フォームを確認できるネットスローを挟むことで

正しいフォームを身体に染みつけることができるでしょう。

さて、それでは、本日の内容をまとめます。

本日は、『アーム式とスクラッチ式のデメリットを改善するコツ』
についてお話をしました。

途中でもお話しましたが、アーム式の方が投げやすい、スクラッチ式には合わない、というお子さんもいます。

そのような場合は、どうしても修正する、というのではなく、

メリット・デメリットを理解し、それに合った指導をすることが
非常に重要になります。

もちろん、スクラッチ式についても全く同様ですよ。

だからこそ、どちらの投球方法にも重要な

◯肩・肘への負担を避けるため、
 頭の真上にトップを作る
◯フォームを大きくするために、
 フォロースルーで大きく踏み出す

というポイントは
ぜひおさえておいてください。

お子さんと一緒に取り組んで、
自分だけのより良い投球フォームを
身に付けさせてあげてくださいね。